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最高裁判所第三小法廷 昭和50年(行ツ)82号 判決 1976年7月13日

上告人 共和化学工業株式会社

被上告人 神奈川税務署長

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人立石邦男、同沖本捷一の上告理由第一について

営業権とは、当該企業の長年にわたる伝統と社会的信用、立地条件、特殊の製造技術及び特殊の取引関係の存在並びにそれらの独占性等を総合した、他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係であるとの見解に立つて、原審が確定した事実関係のもとにおいて、税法上上告人が本件営業権の価額を計上することは相当でないとした原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

同第二について

本件記録によれば、上告人が、原審において本件過少申告をしたことにつき、国税通則法六五条二項にいう正当な理由の存在することの主張をしていなかつたことは、明らかであり、また、所論の事由は右の「正当な理由」にあたらないというべきであるから、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判官 環昌一 天野武一 江里口清雄 高辻正己 服部高顕)

上告理由<省略>

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